【感想】ナミヤ雑貨店の奇蹟
あなたは人に相談事を話しますか?
そして、自分がざっくり固めていた考えと逆の助言をされた場合、素直にその助言を受けることができますか?
今回は色々な相談に纏わるお話「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読んだので感想を書いていこうと思います。

本について

ナミヤ雑貨店の奇蹟 作者:東野圭吾
2012年3月に角川書店より単行本が出版され、第7回中央公論文芸賞を受賞した作品です。
2014年11月に文庫版が出版されています。
東野圭吾さんといえば数々の作品がドラマ・映画化されていますが、本作も2017年に映画化されました。
・本を読んだきっかけ
私は普段からマンガの延長で恋愛もののライトノベルばかり読んでいます。
一般的な本も読みたい気持ちはあるのですが、数が多すぎて本屋で情報ゼロから探すのも大変だし、
かといって天邪鬼なもので、「話題だから」という理由で本を読む気にはあまりならない。
そこで、本好きの姉に「1冊完結の本」「ジャンルはファンタジーかミステリー」と
希望を出してお勧めしてもらって読んだのがきっかけです。

あらすじ

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。
廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか⁉

読んだ感想

読み始めてすぐは私の想像力が足りないのか、3人の人物像がうまく浮かびませんでした。
言動からすると小学生位にも感じるけど、文章の端々から社会人のような印象も受けるような…
人物像がうまく浮かばない=本に引き込まれないまま読み進めていきます。
第一章ではこの3人が相談を受ける立場になりますが、悩み相談という仕組みも分からない、
相談にのるほどの人生経験も自信もない3人が手探りながら返事を書きます。
もちろん具体的なアドバイスができる訳でもないのですが、なんとかちからになろうと相談の返事を書き
相談者自身も特別なアドバイスをもらえている訳ではないのに、返事の意図を必死で汲み取ろうとして話は進んでいきます。
私自身は相談するのが苦手です。
というのも、相談しておきながら自分の中では大体結論が出ているのです。
だから、自分の考えと全く違うアドバイスをされても素直に受け入れることが出来ません。
きっと話を相談したいんじゃなくて、聞いてもらって自分の中で再確認したいだけなんだと思います。
この本の中でもやはりアドバイスに反発する人は出てくるのですが、どの相談者も相談に対する回答に真摯に向き合って、「そう思われても仕方ないかもしれないけど自分はこうしたいし、その為にこうしている」というように途中で投げないところがすごいなと思いました。
私だったらきっと、「そういう意見が欲しい訳じゃないんだよな~」って思いながら適当に相づちうってしまいそう(笑)
そして、東野圭吾さんの作品といえば伏線!
本作も視点がころころ変わり、それぞれの共通点はなんとなく分かるけどそれだけ?
と思っていたら、読み進めるうちにどんどん話がつながってきて、
最後に感じたのは、まるでモザイクアートを見た後みたいだな…と。
1枚1枚は全く違う写真なのに、俯瞰でみると「ナミヤ雑貨店の奇蹟」という大きな1枚の絵をみているような不思議な感覚でした。
読み終わったあとに自分が見逃した伏線はなかったのかな?ともう一度読み返したくなるような心温まるお話でした。
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