【感想】小説『村上海賊の娘』信長と敵対する本願寺に兵糧入れを実現した海賊のお話

こんにちは、歴史については教科書の年表にある事柄位しか知識の無いはちこです(*'▽')

織田信長と本願寺が対立していた事を知っている方は私も含めて多いかと思いますが、

・具体的に信長が本願寺に対してどんな軍略をたてていたのか?

・本願寺には誰が味方していたのか

ご存知ですか?私は全く知りませんでした。

今回は信長と対立する本願寺へ兵糧入れを実現する為にどんな出来事があったのか書かれた『村上海賊の娘』を読んだので、感想をまとめてみたいと思います。

(※核心には触れていませんが、登場人物など若干のネタバレを含みますので、苦手な方は読まない事をオススメします)

村上海賊の娘 /著者:和田 竜

時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊——。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く——。

1巻背表紙のあらすじより

主人公は20歳の景(きょう)という女性です。

本作の中でも度々登場する「悍婦(かんぷ)で醜女」という表現。

醜女はまぁ分かるとして悍婦とは?ってなりますよね。調べてみたところ「気の強い」という意味のようです。

 

景は女性ながら、気が強くて男勝り。

弟を相手に技を磨いたり、女人禁制の海賊船で手下に混ざって海に出ては、兄に叱られる。

言動だけみれば小学生男子のような女性です。

そのうえ、醜女なんて形容までつけば嫁の貰い手もなく、当時では大分嫁き遅れた20歳に。

 

そんな景ですが、ある事がきっかけで難波へ行く事に決めました。当初の思惑とは別に歴史の波に飲み込まれ様々な経験をし、挫折・決断・成長していく物語です。

きっかけは七五三兵衛

私には1つ上の姉がいます。

小さい頃からマンガばっかり読んでいた私とは対照的に、姉は外に遊びに行くのが大好きであまり本も読んでいませんでした。

そのせいか、漢字力は私の方があるというのが姉妹間での共通認識です。

 

子供の頃はほとんど本を読んで来なかった姉も、私と同じ時期(20代前半頃)に小説を読むようになったのですが、小説の中には見覚えのない漢字も出てくるみたいで「これ何て読むか分かる?」とたまに聞かれる事があります。

 

それは、純粋に分かるなら教えて欲しいっていう時だったり、自分が読み方を知った時に珍しいなと思ったから共有したい時だったり…。

 

3~4年前のある日、姉が私に「なあ、この漢字なんて読むか分かる?」と小説のページを見せてきました。

 

姉が指している文字は「七五三兵衛」

人名・地名は読めない言葉が多々ありますよね。読めなかった私は「しちごさんべい?」と間違っているのは承知で答えたら、「やっぱ読まれへんよな!これで”しめのひょうえ”って読むねんて~」と言うのです。

想定外の読み方に、「初見で読める人おるん?」なんて笑いながら話していました。

 

何の本を読んでいるのか聞いてみると、『村上海賊の娘』とのこと。

本屋大賞を受賞した小説だとTVか何かで見て、少し興味があったので「面白いの?」と聞いたところ「七五三兵衛がカッコイイ!」という感想をいただきました(笑)

実際に興味があったし、全て読み切った姉からも勧められていたのですが、文庫で4冊ということでずっと読んでいませんでした(・_・;)

ベルメゾンネット

読破時間は?

やっと手に取って読んでみたものの、1巻は本当に読むペースが上がりませんでした。

 

面白くない訳ではないんだけど、まだ登場人物に馴染みがないし情景の描写も多くて…1巻だけで多分1ヶ月位かかりました(;^ω^)

 

ところが、1巻の終盤で噂のあの人が登場するんです!七五三兵衛が!笑

 

1巻終盤~2巻は七五三兵衛もカッコイイし、物語もどんどん進みます。3巻~4巻も主人公の葛藤や、満を持しての海戦で目が離せなくなります。

 

そこからは一気にペースもあがって、2~4巻の3冊は1巻のペースが嘘のように、たった5日で読んでしまいました。

村上海賊の娘を読んで考えたこと

この本で大きく関わってくるのはやはり、織田信長と本願寺の対立です。

本来であれば瀬戸内海で海賊働きをする景には大坂での戦なんて一切関わりのない事ですが、難波へ行く事で戦に身を投じる様々な人との出会いが彼女の人生や価値観を大きく変える事になります。

それぞれの覚悟

この本では一方からのみではなく、織田方・本願寺方の双方の思想や戦況が描かれています。

戦に参加する理由も、信仰心であったり主家の存続だったりと様々です。

 

今と比べてこの時代では自分の命が軽かったそうですが、戦に出るとなれば当然『死ぬ』可能性もあれば、誰かを『殺す』ことだってあるのです。

織田方・本願寺方どちらの覚悟も私には出来そうにありません。もちろん今のところ、そんな覚悟をする状況に追い込まれる事はあり得ない時代ですが、改めてそんな時代に生まれて良かったなと思いました。

阿呆も貫けばかっこいい

いくつかのシーンで出てくる「阿呆」という表現。大阪生まれ大阪育ちの私からすれば「阿呆」という言葉は馴染みのある言葉ですが、普通に考えれば悪口ですよね。

 

この本の中では自虐を含んだ照れ隠しだったり、仕方ないな~とあきれたり、頑固であることの表現だったり、最終的には褒め言葉として使われていたりします。

 

普通に考えればやらない事だってやってしまう。簡単な方を選べばいいのに困難な方を選んでしまう。そんな「阿呆」がかっこよかったです。

戦国無双やろうかな

戦国無双というゲームをご存知ですか?歴史上の人物を操作してバッサバッサと斬っていくアクションゲームです。

最近は新作も買っていないし遊んでいませんが、昔はよく遊んでいました。この本の舞台が戦国なので、ゲームに登場する人物も何人か登場します。

織田信長はもちろんですが、雑賀孫一と小早川隆景です。

小早川隆景ってあんまり印象にないので、戦国無双のストーリーモードでどんな半生を歩んだのか知りたいなと思いました。

 

そしてなんとなく七五三兵衛を想像する時に、戦国無双の「前田慶次」をイメージしていたので、本を読み進めるうちに戦国無双やりたいな~と思っていました。

こんな人におすすめ

この本全体の感想はとても面白かったです。

最初こそ中々進まなかったものの、物語が進んでいくうちに序盤ではそれほど魅力を感じなかった人物もどんどん輝いて生き生きとしてきます。

 

あとは海賊の戦いといえば1隻対1隻で大砲撃ったり、敵船に乗り込んで戦ったり…というイメージがありますが、この本では数百隻規模の戦いです。「そんな戦い方があるのか!」と驚いたり、手に汗握る戦いが繰り広げられます。

 

・歴史好き

・方言好き

・戦う主人公好き

・海賊好き

・戦争物が好き

当てはまる方は是非読んでみて下さいね。

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